「神はサイコロを振らない」というのは、2015年に結成された4人組のロックバンド名でもあるが、20世紀を代表する理論物理学者 Albert Einstein の有名な一言である。この背後には、Albert Einstein の量子力学という20世紀初頭に誕生した新しい世界観を受け入れらないというものであった。一方、世界がランダムであるかどうかの論争は紀元前の「骨転がし」の時から始まり、現在まで、もしかしたら複雑な決定論的な法則によって支配されている可能性を否定できない。そのため、デジタル計算機における最初の応用事例の一つは John von Neumann が考えた「疑似乱数生成機」であった。その後、応用数学·暗号理論の発展により、疑似乱数の理論は発展していくが、この世の中を記述する方法論として原理的に確率的な記述でなければならないか?ということは検証すべき研究課題である。そうすることで、本質的に確率的な記述が必要である量子力学の基盤を検証することが出来ると考えられている。そこで本発表では、乱数の歴史を哲学·物理学·統計学·確率論の歴史と交えて紹介し、乱数の尺度をどのように定量化するかについて情報科学的な観点を導入することで紹介し、自身の量子乱数生成の研究について紹介する。