2019年2月23日(土) 17:00 ~ 19:00
場所:吾妻交流センター
第25回の交流会では、前半は高橋顕さん(産業技術総合研究所)に、後半は春木美鈴さん(宇宙航空研究開発機構)にそれぞれご講演いただきました。
前半の高橋さんのご講演では、古くからあるプルシアンブルーに高い吸着能力がある理由、その能力を活かしたアンモニア除去等の最近の研究成果についてご紹介いただきました。特定の物質に合わせた吸着機能をもつ素材を作ることも可能とのことで、今後の様々な活用の可能性を感じるとても面白いご講演でした。
後半の春木さんのご講演では、日本初の宇宙ステーションからの帰還を果たした小型回収カプセルの開発全体について、その意義から開発の様子まで幅広くご紹介いただきました。多くの動画を用いて実際の回収の様子までご紹介いただき、開発だけでなく運用の臨場感まで分かる、とても楽しいご講演でした。
———

発表者:高橋顕さん(産業技術総合研究所)
タイトル: 青色顔料で空気をキレイに
青色顔料であるプルシアンブルーは、18世紀初頭に初めて合成された人工顔料です。
その特徴的な深い青から、葛飾北斎やゴッホなど著名な画家達が絵画に用いて来ました。
現在でもプルシアンブルーまたは紺青という名前で絵の具として売られています。
絵の具として長年使われてきたプルシアンブルーが、実は市販の脱臭剤として使われている材料よりも、悪臭の原因物質を吸着除去できる能力が高いことを近年発見いたしました。
今回はプルシアンブルーの吸着材としての機能について紹介したいと思います。
———

発表者:春木美鈴さん(宇宙航空研究開発機構)
タイトル:宇宙からふんわり帰還した小さいカプセルについて ~小型回収カプセルのご紹介~
2018年11月11日、国際宇宙ステーション(ISS)から、小型回収カプセルが帰還に成功しました。
日本が国際宇宙ステーションからサンプルを持って帰ってくるのは初めての挑戦であり、確実·効率的な回収のために、揚力を用いた誘導制御等の技術的な工夫をしています。
地球から宇宙に行くことも大変ですが、宇宙から地球から帰ってくることも多くの課題があります。
当日は、そんな小型回収カプセルプロジェクトの開発や回収運用についてご紹介します。
———