第3回交流会

2014年5月17日(土) 15:00 ~ 17:00

場所:吾妻交流センター

第3回の交流会では、前半に中野倫靖さん(産総研)のご講演、後半に参加者有志による三分間自己紹介を行いました。

中野さんには、歌声合成·歌声解析についてのご講演をしていただきました。とても身近な「歌声」が研究対象であることもあり、講演後には様々な内容の質疑が行われていました。講演内容の詳細は、下記のご講演内容をご参照ください。

後半の三分間自己紹介では、10名程度の有志が各自の研究·業務内容についての紹介を行いました。つくばの多様な研究所から参加者が集まっているだけあり、それぞれの研究や業務の内容も多岐に渡っていて、参加者の多様さを実感するいい機会となりました。

ーーー

発表者:中野倫靖さん(産総研)

タイトル:歌声合成技術VocaListener(ぼかりす)と歌手の歌声分析技術

 音楽は産業·文化の面で主要なコンテンツの一つであり、歌声は音楽の最も重要な要素の一つです。特に、ポピュラー音楽では歌声を中心に音楽を聴く人達が多く、歌声の音響信号を対象とした「歌声情報処理技術」は、商業音楽の制作における音高補正技術や、カラオケの歌唱採点技術など、身近な場面で利用されています。

 最近では、2007 年のVOCALOID2「初音ミク」発売以降、歌声合成による楽曲制作が盛んに行われており、そのような歌声合成に基づいた音楽CDが市販されて、オリコン上位にランクインすることもあります。しかし、人間らしい歌声を合成しようとすると難易度が高く、適切な知識や時間をかけた調整が必要でした。そのような問題を解決する一つの方法として、人間のお手本の歌声とその歌詞から、歌い方を真似て歌声合成できる技術VocaListener(ボーカリスナー、略称「ぼかりす」)を紹介します。

 また、歌声分析に関する最近の研究事例として、楽曲中のボーカルの歌声を分析し、その性別を自動推定する技術と、声質が似ている歌手を検索して「どう似ているか」も自動的に可視化できる歌声分析技術を紹介します。

ーーー