第32回交流会

2021年7月17日(土) 16:00 ~ 18:30

場所:オンライン

 第32回の交流会では、前半は岸田昌子さん(国立情報学研究所)に、後半は今村岳さん(物質·材料研究機構)にそれぞれご講演いただきました。

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発表者:岸田昌子さん(国立情報学研究所)

タイトル: 動きをデザインする科学 ~数学に基づく現象の理解とモノの動きの設計~

 制御とは、入出力があるモノから望みの出力を得るように自動的に入力を調整する仕組みのことです。航空機や自動運転車からロボットまで、あらゆる動くモノで使われている制御技術の基盤となるのは、数学の一分野である制御理論です。

 今回は、制御理論の研究とはどういったものかということ、最近話題の深層学習との意外な関係、また自身の最近の研究を紹介します。

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発表者:今村岳さん(物質·材料研究機構)

タイトル:ニオイを測るセンサの開発と社会実装

 人間の五感の中で、嗅覚は実用的なセンサ化が実現していない唯一の感覚です。

 ニオイを気軽に測ることのできるセンサが実現したら、野菜や肉が腐っていないかどうかチェックしたり、お気に入りの香水や芳香剤を選ぶことができたりと、様々な場面で活用が期待されます。しかし、ニオイを検知するセンサの性能が不十分であることや、センサで得られるデータの解析方法が開発されていないといった課題があり、これまで実用的なニオイセンサは開発されてきませんでした。

 こういった課題に対して私達は、膜型表面応力センサ(Membrane-type Surface stress Sensor, MSS)という超小型のセンサを用いたニオイセンサの開発を行ってきました。この取り組みの中で、センサの高感度化やAIと組み合わせたデータ解析技術の開発などを行い、ニオイセンサの実用化の道筋が見えてきました。

 この発表では、これまでのニオイセンサの研究·開発の概要と、今後予定している取り組みについてご紹介させて頂く予定です。

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