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2023年最初の交流会は、ナノバイオサイエンスがご専門の横田一道さんと薄膜工学がご専門の本村大成さんをお迎えして、リアル会場とオンライン配信のハイブリッド開催でお送りしました。
【第35回つくばサイエンスネットワーク交流会】
日時:2023年2月18日(土)16:00~
場所:つくばスタートアップパークならびにオンライン配信
スケジュール
16:00~ 接続確認、挨拶等
16:05~ 講演 1: 横田一道さん (産業技術総合研究所)
“ナノ·マイクロデバイスによるバイオ計測”
17:05~ 休憩
17:10~ 講演 2: 本村大成さん(産業技術総合研究所)
“室温スパッタリング成膜による薄膜形成”
18:30~ つくば駅前Q’t内「青山がらり」にて懇親会
「ナノ·マイクロデバイスによるバイオ計測」
横田一道さん(産業技術総合研究所)
1970年代にマイクロメートルスケールのプロセス技術で作られていた半導体デバイスは、今日ではナノメートルスケールのプロセスで製造されるようになり、世界情勢も相まって現在も激しい開発競争が行われています。これらナノ·マイクロスケールで生物を見てみると、生命の設計図となる直径2ナノメートルのDNAや、構造·機能の基本単位となるマイクロメートルスケールの細胞といった、生物学的に重要な計測対象が現れます。
本発表では、半導体微細加工技術を利用して作製した、ナノ·マイクロスケールの流路、電極、細孔などの構造を持つデバイスや、それらを用いた生体分子、微生物、細胞などの計測技術を紹介します。分野の垣根を超えた議論や交流ができればと思っています。

「室温スパッタリング成膜による薄膜形成」
本村大成さん(産業技術総合研究所)
Sputtering(スパッタリング)には「興奮して唾を飛ばしてしゃべる」という意味があるそうだ。
電離気体であるプラズマ中のイオンを材料表面にぶつけることで、材料表面がスパッタするように表面原子が飛び出し、
そのスパッタされた原子が基板などの対象物に到達し、薄膜を形成させる手法をスパッタリング成膜法という。
スパッタリング成膜法ではイオン発生源に主にプラズマを使うので、スパッタされた原子とともにプラズマ粒子である電子やイオンも対象物に到達してしまい、対象物が簡単に数百度の高温状態になってしまう。
対象物を室温程度に温度保持したままスパッタリング成膜するためにはどういうプラズマを用意したらよいのか。
実際に室温スパッタリング成膜を実現した研究成果を交えながら、興奮して唾を飛ばさない程度にご説明したいと思います。
