2015年1月24日(土) 16:00 ~ 18:00
場所:吾妻交流センター
第7回の交流会では、前半は東博暢さん(日本総研)に、後半は木野瀬友人さん(株式会社エクストーン/株式会社ニワンゴ)に、それぞれ科学技術の実用化·商業化に関するご講演を行っていただきました。
東さんには、イノベーションの中心地、シリコンバレーでのトレンドと、実用研究のリーダーシップSRIから学ぶオープンイノベーション戦略をご紹介いただきました。さらに日本総研の取り組みとして大学や研究機関等の有望な技術シーズを事業化するための支援を目的としたNEDO Technology Commercialization Programの紹介をしていただきました。
木野瀬さんには、科学技術の実用化分野のテーマ提供として医療を紹介いただきました。2025年には52.3兆円になる国民医療費。年間1兆円以上増えています。 健康な人を病気にさせないための予防医療、早期介入で身体へのダメージを少なくする先制医療の事例を紹介。また、ご自身の取り組みとして、大腸菌を擬人化した「うんコレ」を紹介していただきました。
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発表者:東博暢さん(日本総研)
タイトル:なぜ今、科学技術の商業化が求められるのか? ~オ-プンイノベーション推進に向けて~
科学技術(特に情報通信技術)の進展により、急速に変革が進む社会において、世界中で従来型のビジネスモデルやルール·法制度が破たんを来たしております。
大学や研究機関においても同様の変革の波が押し寄せています。
米国の大学·研究機関·企業では、「科学技術を商業化し、市場を創り、その利益から研究資金を獲得し、また新たに市場を創る」、といったエコシステムが形成されています。
必要とあらば、日本の研究機関をリサーチし、特許と共に会社丸ごと買収しにかかります。
今年度、我が国でも科学技術政策を大幅に転換し、手始めに主要大学に合計1000億円のベンチャーキャピタルを設立しました。
今後、日本の研究者も経済成長を意識した取り組みが求められます。
今回はその舞台裏と今後取り組むべき方策についてお話しします。
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発表者:木野瀬友人さん(株式会社エクストーン/株式会社ニワンゴ)
タイトル:科学技術の商業化のための話題提供 ~医療の2025年問題を変えるには~
科学技術の商業化といってもテーマがない!そんなかたに医療のご紹介です。
必要は発明の母。課題山積の医療現場を学び科学技術の必要性を知るお話です。
日本で盲腸手術をすると保険適用で10万円ですが、アメリカでは保険適用で100万円以上かかります。
病気になっても安心して暮らせるのはコスパの高い日本の医療のおかげです。
しかし日本の医療費は年々増え続けていまして、10年後は年間52兆円になる見込みです。
年間52兆円の医療費を現実的にまかなうには、他財政へのしわ寄せ、患者の負担割合増は避けられないと言われています。まさに医療崩壊です。
なぜ医療費は増え続けているのか?
厚生労働省と自治体はどんな取り組みをしているのか?
我々の科学技術は誰が求めているのか?ひとつひとつ解き明かしていきましょう。
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