第2回特別交流会

2016年7月16日(土) 14:00~19:00、24日(日) 10:00~16:00

場所:つくばイノベーションプラザ

 第2回特別交流会では、Fabcrossさんと共催で、「つくばロボットハッカソン ~ XYZrobot Bolideを使ってロボット大相撲大会 ~」として、”XYZrobot Bolide”を使ったアイデアソン&ハッカソンを開催いたしました。(XYZrobot Bolideについてはこちらをご参照下さい https://fabcross.jp/…/03/20160329_xyzrobot_bolide.html )。

 1日目はチーム分け(4·5人 x 2チーム)とロボットの改造アイデアを考えるアイデアソン、1日目~2日目の間で、改造アイデアをもとにロボットをハックし、2日目は改造したロボットを使っての大相撲大会を行いました。1週間という短い期間でしたが、両参加チームともに独自の改造を加え、大相撲大会は改造相撲ロボットによる白熱した対戦が行われました。

第14回交流会

2016年7月9日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

 第14回の交流会では、前半は金本成生さん(株式会社スペースシフト)に、後半は森下拓往さん(宇宙航空研究開発機構)に、それぞれご講演いただきました。

 前半の金本さんのご講演では、近年特に活発になっている民間企業主導での宇宙開発の展望や、スペースシフト社よりクラウドファンディングを通じて販売された超小型人工衛星開発キット『ARTSAT KIT』のご紹介など、宇宙開発·利用に関わる民間の動きを多方面からご講演いただきました。

 後半の森下さんのご講演では、小型人工衛星の特徴や近年の動向、JAXAの大型衛星·JAXAの小型衛星·大学の小型衛星のそれぞれの開発手法の特徴やメリット·デメリットについてご紹介いただきました。一口に”衛星開発”と言っても、開発規模や官民の組織の違いなどによって開発へのアプローチの仕方が変わることがよくわかるご講演でした。

発表者:金本成生さん(株式会社スペースシフト)

タイトル:誰でも宇宙にチャレンジできる超小型人工衛星開発キット『ARTSAT KIT』

 宇宙ビジネスは、政府や大企業によるプロジェクトから、ついに個人が関われるところまで身近になってきました。そんな中、弊社では誰でも宇宙にチャレンジできる超小型衛星キット「ARTSAT KIT」の販売を開始しました。

 近年、大学を中心に超小型衛星の開発が盛んになり、打上げも行われていますが、単純な設計ミスやトラブルで、軌道上での動作に至らないケースも後を絶ちません。本キットを使うことで、衛星の基本となる部分はキットに任せ、衛星の使い方やミッションの設計に専念することができます。

 また、これからハードウェアとしての衛星はコモディティ化し、よりソフトウェアや、アプリケーションが重要になっていきます。そのような宇宙ビジネスの変化や現状、今後の展望についてもお話しますので、自分ならどんな宇宙事業が展開できるのか、など、将来を想像するきっかけにしていただければと思います。

発表者:森下拓往さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:人工衛星のつくりかた ~小型衛星開発の経験をもとに~

 近年、人工衛星の打ち上げ機数は、実際に打ち上げた機数·打ち上げが計画されている機数ともに増え続けています。非宇宙企業による、衛星群を使ったインターネット回線の提供計画の発表、このような計画への投資計画の発表等、これまで宇宙開発とは無縁だった企業の参画も増えてきています。急速に打ち上げ機数が増えている理由の一つとして、Cubesat、Microsat等の名称で呼ばれる「小型衛星」の進歩があります。日本では、本交流会の第10回においてご紹介いただいた筑波大学のCubesatプロジェクトなど、大学による小型衛星の開発が特に盛んに行われています。

 今回の講演では、大学およびJAXAにおいて小型衛星開発に関わった経験から、「小型衛星の開発がどのように進んでいくのか?」、「JAXAと大学の小型衛星開発の似ているところ·違っているところ」、「世界と日本の小型衛星開発の似ているところ·違っているところ」など、”小型衛星の開発”を様々な方向からご紹介します。また、「なぜ今、小型衛星が世界的なブームとなっているのか?」について、学会等で収集した情報をもとに、私なりの見解もお伝えしようと思います。

第13回交流会

2016年4月9日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

 第13回の交流会では、前半は辻典子さん(産業技術総合研究所)に、後半は石井智さん(物質·材料研究機構)に、それぞれご講演いただきました。

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発表者:辻典子さん(産業技術総合研究所)

タイトル:小腸からの抗炎症メカニズム

 腸管免疫学や腸内細菌学が近年のトレンドとなり、暮らしへの応用が模索されています。本セミナーでは、小腸の主要な常在菌である乳酸菌や醗酵食品が腸管免疫に働きかけ、腸炎など炎症性疾患の予防に直結するしくみについて考察します。

 私たちは乳酸菌が2本鎖RNAを豊富に含み、樹状細胞の自然免疫受容体を刺激して免疫シグナル産物のひとつであるインターフェロンβの産生を誘導することを見いだしました。さらにこのインターフェロンβには、抗炎症機能を発揮して腸炎などを予防すると同時に全身性の細胞性免疫を増強するはたらきがあります。

 このような背景から、小腸における自然免疫シグナルの受容と伝達機構の解明は、健康維持や疾患の予防·治療技術の可能性を拡げます。乳酸菌などが多く含まれる醗酵食品にも、同様の経路を介した免疫賦活機能があることが期待されます。

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発表者:石井智さん(物質·材料研究機構)

タイトル:ナノ光学:平面レンズと太陽熱発生ナノ粒子を中心に

 つくば市で幼少期から高校まで過ごし、約10年ぶりにつくば市に戻ってきて光学の研究をしている講演者。講演の始めに少しだけ、つくば市で育ったことの影響を振り返りながら考えてみます。市内には様々な分野の研究所が数多くあり、多くの友人の父親がそれらの研究所で働いていて、つくば市はまさに学園都市。しかし、小さい頃はそれがどれだけ特殊なことか考えもしませんでした。

 講演の主題は、講演者の研究しているナノ光学の話題。ナノ光学では、文字通りナノスケールの構造に光が当たることによって起こる新奇な光学現象を研究します。可視光の場合、波長はおよそ400-700ナノメートルのため、例えば50ナノメートルの構造は波長より十分小さくなります。それにも関わらず、ナノ構造はその形状や材料によって時に光を強く共鳴したり異常に散乱したりします。ナノ光学の対象分野は光通信用デバイスや小型光学素子の開発にとどまらず、バイオセンシングや医療、エネルギーへの応用研究も進んでいます。講演者の研究紹介では、波長より薄い極薄平面レンズに関して、その原理と光特性をご紹介します。このレンズは設計によって強い偏光依存性を持ったり集光点を動かしたりできるものです。また、太陽熱を効率よく生み出すナノ粒子の研究も合わせて紹介します。この成果については、こちらのプレスリリース( http://www.nims.go.jp/news/press/2016/01/201601250.html )もご参照ください。

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第12回交流会

2016年1月30日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

第12回の交流会では、アカデミアにとっての「研究成果のマネジメント」をテーマにお二人の事務系職員から講演を行っていただきました。

 お一人目のご講演は平本隆輔さん(産業技術総合研究所)から、知財法務の要諦をご紹介いただきました。事務系職員が研究成果のマネジメントを担う上で必要とする正しい知財の知識とそれに基づく契約交渉の判断ポイントがわかる大変ためになるご講演でした。

 お二人目のご講演は津上哲也さん(宇宙航空研究開発機構)から、研究成果の創出者ではなく、JAXAの事務系部門の面々が戦略的に行ったマーケティングを活用して行った人工衛星のプロモーション活動の要諦をご紹介いただきました。コラボカフェや宇宙xお菓子といったユニーク事例は、大変示唆に富む興味深いご講演でした。

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発表者:平本隆輔さん(産業技術総合研究所)

タイトル:事例で学ぶ知財の基礎と知財法務

 皆さんの所属する研究所、企業、大学では、産学連携は進んでいますか?産学連携で避けては通れないのが知財の問題です。良い成果(知財)が出れば出るほど、その取り扱いは揉めがちになります。

 共同研究契約は、後になってそうした揉め事が起こらないよう、連携の前に約束事を決めるものです。

 本講演では、将来生まれるであろう研究成果である知財を守るために必要となる、知財の基礎知識·契約書の読み方·交渉の仕方といった「知財法務」の観点を、知財交渉の事例を交えつつ、お話しします。

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発表者:津上哲也さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:人工衛星プロモーション

 人工衛星の広報活動をしていると、万人に訴えかける広報に限界を感じました。そこで、”人工衛星だからこそヒットする人たちと出会える場”を探そうと、これまでと違うことを試みたら、思いがけない好評を得られる事例が出てきました。

 コラボカフェ、人工衛星観望会、お菓子商品、チョークアート。

 評判のよかった理由を考えていくと“マーケティングやマネジメントにもつながってるみたい”というものがあったので、それを紹介しつつ、みなさんのご意見も伺っていけたらと思っています。

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第11回交流会

2015年10月31日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

第11回の交流会では、前半は村木祐介さん(宇宙航空研究開発機構)に、後半は河尻耕太郎さん(産業技術総合研究所)に、それぞれご講演を行っていただきました。

 前半の村木さんのご講演では、アジア開発銀行における4年間の業務紹介、途上国での宇宙利用方法やその背景の紹介をしていただきました。リソースの限られた途上国においていかにして課題解決をするか等、様々な分野に共通する要素も多く、とても面白いご講演でした。

 後半の河尻さんのご講演では、ライフサイクルアセスメントという概念の歴史や意味のご紹介、これまでに行ってきた様々な評価の内容をご紹介いただきました。ものを使う部分だけでなく、原料の採取から廃棄までのトータルを評価するライフサイクルアセスメントの考え方について、様々な例を交えて、非常に分かりやすくご紹介いただきました。

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発表者:村木祐介さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:途上国開発援助における衛星利用‐アジア開発銀行での経験‐

 私は2011年5月から2014年5月までフィリピンマニラに本部のあるアジア開発銀行(ADB)で、人工衛星のデータをADBの途上国開発援助業務で活用するための利用促進業務を担当してきました。ADBは日欧米などの出資金をもとにアジア太平洋地域の発展途上国の道路や発電所などのインフラ開発を行う国際金融機関です。

 宇宙のことなどほとんどしらないエコノミストや非宇宙分野のエンジニアの集まるADBに単身乗り込み、宇宙技術を活用した途上国開発プロジェクトの立ち上げ、プロジェクトマネジメントを実施してきました。途上国開発分野で宇宙技術がどう使えるのかご紹介するとともに、最先端の宇宙技術を貧しい途上国で実利用導入するための苦労、ADBにいる様々な非宇宙分野の職員とのインタラクションによるトータルパッケージの開発など、4年間の苦労話を中心にご紹介したいと思います。皆さんが持つ最先端の技術をどのように実利用分野での価値創出につなげるか、について考えていただくきっかけにしていただければと思います。

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発表者:河尻耕太郎さん(産業技術総合研究所)

タイトル:環境問題の「見える化」 -ライフサイクルアセスメントとその応用、そして新たな挑戦-

 ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment: LCA)は、環境問題を「見える化」し、効果的な解決策を検討するための方法論として発展してきました。LCAによって、俯瞰的な視座から問題構造を把握し、目に見えない環境負荷物質の流れを定量化し、製品やサービスなどによってもたらされる社会への環境影響を定量的に評価することが可能になります。それはまさにデータサイエンスの極致です。

 近年では、LCAは、ライフサイクル思考(Life Cycle Thinking)、あるいはライフサイクルマネジメント(Life Cycle Management)として、俯瞰的に問題構造を捉え、解決策を検討するための方法論として抽象化·一般化されつつあります。その方法論は、環境分野のみならず、ビジネスや行政にも広く応用されつつあり、意思決定、問題解決のための強力なツールとなる可能性を秘めています。

 本講演では、環境問題とLCAの歴史について簡単に触れるとともに、LCAの考え方について説明した後、現在の最新の研究テーマ、あるいは実ビジネスへの展開について紹介します。本講演では、環境分野を題材に議論しますが、LCAの考え方は、環境分野のみならず、様々な分野に応用可能です。

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第1回特別交流会

2015年10月24日(土) 15:00 ~ 17:00

場所:吾妻交流センター

 今回は通常の交流会の番外編として、米国から一時帰国されている小野雅裕さん(NASAジェット推進研究所)をお招きし、特別企画として交流会を開催しました。

 初の特別企画でしたが、日本ではなかなか聞くことのできないNASAの様々なお話が聞けるとあって、大勢の方にご参加いただけました。小野さんからはNASA JPLに関する様々な話題をご提供いただき、とても貴重な機会になりました。

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発表者:小野雅裕さん(NASAジェット推進研究所)

タイトル:JPLの最新の動向と、組織の仕組み

 本公演では、まずNASAジェット推進研究所(JPL)のこれからの10年の展望をお話しする。次に、JPLのイノベーションを支える組織の仕組みと、そこで用いられるプロジェクトや研究のマネージメントの方法論を解説する。

 NASAジェット推進研究所による次の十年の太陽系探査は野心的なプロジェクトが目白押しである。2020年に打ち上げられる火星ローバーはJPLが提案している火星サンプルリターン計画の一環であり、太古の地球外生命の痕跡を残す土壌のサンプルの取得を目標とする。また、小型のヘリコプターを搭載し、火星の空を飛ぶ構想もある。同じく2020年頃にはエウロパ探査機が打ち上げられる。氷透過レーダーを搭載し、地底の海における生命の居住可能性を調べる予定である。系外惑星探査もアツい。系外惑星の直接撮像を目指し、コロナグラフを搭載した次世代宇宙望遠鏡WFIRSTやStarshadeの技術の検討が進む。

 これらのJPLのプロジェクトや研究は、トップダウン形式のビジョンの共有と、ボトムアップ形式のイノベーションの組み合わせで行われる。また、マトリックス·オーガナイゼーションによる組織構成は、人材配置のフレキシビリティーの確保と職員のモチベーション維持に重要な役割を果たしている。これらの仕組みについて講演の後半を用いて概説する。

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第10回交流会

2015年8月8日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

第10回の交流会では、前半は花田智さん(産業技術総合研究所)に、後半は保田敦司さん(筑波大学)に、それぞれご講演を行っていただきました。

 前半の花田さんには、ご自身で新しく発見した微生物や、微生物が引き起こす”変敗”の実際に起きた様々な例や仕組みといった内容をご講演いただきました。身近に起きている様々な現象に微生物が関わっていることを知ることができた、大変おもしろいご講演でした。

 後半の保田さんには、筑波大学の学生が中心となって開発している小さな人工衛星”Cubesat”に関するご講演をいただきました。一号機で得られた知見をもとにして現在二号機の開発中とのことで、将来人工衛星が打ち上がるのが楽しみになるご講演でした。

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発表者:花田智さん(産業技術総合研究所)

タイトル:変敗捜査官の事件簿 ―食品変敗と原因微生物―

 食品と微生物の良好な関係は様々な発酵食品に見られます。麹菌や酵母によって行われる味噌やお酒の醸造、乳酸菌によって作られるヨーグルト、チーズなど微生物が食品の風味を良くしたり、長期間保存するのに役立ってる例は枚挙に暇がありません。その一方で、微生物によって食品の風味が落ちたり、変色してしまったり、腐敗してしまうこともしばしば起きてしまいます。この様な食品の劣化は「食品変敗」と呼ばれていますが、それがどの様な微生物によって引き起こされたのかを科学的分析手法によって解明してきた課程を、「変敗捜査官の事件簿」と銘打ち、ミステリ仕立て(?)でお話ししたいと考えています。

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発表者:保田敦司さん(筑波大学)

タイトル:超小型人工衛星「CubeSat」の新たな可能性~CubeSatと宇宙教育~

 みなさんは「CubeSat」というものをご存知でしょうか.

CubeSatとは,1辺10cm,重さ数kgというごく小さな人工衛星のことを指します.

大型衛星に比べてコストの低さや開発期間の短さから,世界中の多くの大学や企業,研究機関が開発を行っています.

 このCubeSatが世界で初めて打ち上がったのは2003年6月で,それから現在に至るまで,100機以上のCubeSatが世界中から打ち上げられました.

 これらCubeSatは小さな衛星であるにも関わらず,数多くの科学的·技術的成果を挙げ,今やCubeSat開発は世界中でホットな研究の一つとなりつつあります.

 今回はそのCubeSatの新たな使い方として,「CubeSatを宇宙教育に利用してみるのはどうだろうか.」という点に焦点を当てたお話をしたいと考えています.

 最近は子どもたちの理科離れが騒がれている一方,2010年の小惑星探査機「はやぶさ」の帰還をきっかけに,子どもや大人を含めた幅広い年代から,宇宙や人工衛星への関心が集まっています.

 そんな中,このCubeSatを宇宙教育に利用することで,理科教育や人材育成の効果が期待されると考えられます.

 今回は「CubeSat」「宇宙教育」という2つのキーワードのもと,私が所属する筑波大学「結」プロジェクトのCubeSat「ITF-1」「ITF-2」を例に,CubeSatの宇宙教育への応用について紹介したいと思います.

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第9回交流会

2015年6月27日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

第9回の交流会では、前半は佐藤那津未さん(Natsumi Satoh Global Communication Consulting)に、後半は岩瀬英治さん(早稲田大学)に、それぞれご講演をしていただきました。

 佐藤さんには、「英語感覚」と「日本語感覚」の違い、それが元で生じてしまうコミュニケーションのギャップについて、分かりやすい例を交えてご紹介いただきました。言われてみれば覚えのある内容も多く、言語感覚という普段は意識しないものを意識していくきっかけになるご講演でした。

 岩瀬さんには、「マイクロマシン」や「MEMS」といった、携帯電話など身の回りのものにも使われている「小さな機械」についてご講演いただきました。小さな世界では今の私たちの感覚がそのまま通用しなくなることや、そもそもこのような小さな機械をどのように作るのかといったことなど、いろいろな側面から「小さな機械」についてご紹介いただきました。

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発表者:佐藤那津未さん(Natsumi Satoh Global Communication Consulting)

タイトル:あなたのプレゼンスをあげるグローバルコミュニケーション

 英語でコミュニケーションをとる時、『英語感覚』と『日本語感覚』の違いどれくらい意識してますか?もしあなたの答えが『NO』もしくは『???』の場合は、あなたは論文や学会発表を通して、ポテンシャルを十分に発揮しきれていない可能性大です。

 『英語感覚』と『日本語感覚』の相違が引き起こす、致命的なミスコミュニケーションやデッドコミュニケーション(全くコミュニケーションが成り立っていない状態)。そんな悲劇にあなたが巻き込まれないためにも、グローバルコミュニケーション力を培う上で日本人が陥りやすい『感覚のズレ』ポイントの傾向と対策について紹介していきます。

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発表者:岩瀬英治さん(早稲田大学)

タイトル:小さな機械の小さな物理 ~マイクロマシンのお話~

「アリは壁を上れるのにゾウが出来ないのはどうして?」

「水は少量だと球状の“水玉”になるのに、多量だとそうならず“水溜り”になるのはなぜ?」

皆さんはこれらの疑問に答えられるでしょうか?

 近年、小さいものを作る技術は非常に発達し、髪の毛の太さ程度の歯車や構造を作れるようになってきています。これは「マイクロマシン」「MEMS(Micro-electro-mechanical Systems)」と呼ばれ、スマートフォンや自動車にはこの技術を使ったセンサーなどが使われています。しかしながら、このような「小さな機械」を作るときに、大きな機械の設計図をそのまま小さくして作れば動くというわけではありません。これは、最初に挙げた身近な例からも想像できように、小さな機械·小さな世界に特有の物理現象がその前に立ちはだかってくるためです。小さな機械を作るには何を考えたら良いのか、小さな機械はどんな形をしているのか、大きさが変わるだけで世界がどう変わるのかなどについてお話したいと思っています。

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第8回交流会

2015年4月25日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

第8回の交流会では神武直彦さん(慶應義塾大学)に、システム思考·デザイン思考とこれを用いた各種問題へのアプローチについてのご講演を行っていただきました。

 様々なミッションを達成し、成功に導くための方法を論理的に考える「システム思考」、感性や対話を通して課題の解決策を生み出す「デザイン思考」についてのご講演は、神武さんのこれまでに関わられた豊富な事例の紹介があり、システム思考·デザイン思考といった概念の指すものや使い方をとてもイメージしやすく、非常にわかりやすいご講演でした。

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発表者:神武直彦さん(慶應義塾大学)

タイトル:イノベーションを生み出すシステム×デザイン思考 ~地域課題から地球規模課題まで~ 

 今回の交流会では、世界でも珍しいシステムデザイン·マネジメント教育研究のための大学院を開設した慶應義塾大学の准教授神武先生をお招きし、ミッションを成功に導くための論理的に考える「システム思考」及び感性や対話で生み出す「デザイン思考」について、事例をもとにご講演頂きます。

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第7回交流会

2015年1月24日(土) 16:00 ~ 18:00

場所:吾妻交流センター

第7回の交流会では、前半は東博暢さん(日本総研)に、後半は木野瀬友人さん(株式会社エクストーン/株式会社ニワンゴ)に、それぞれ科学技術の実用化·商業化に関するご講演を行っていただきました。

 東さんには、イノベーションの中心地、シリコンバレーでのトレンドと、実用研究のリーダーシップSRIから学ぶオープンイノベーション戦略をご紹介いただきました。さらに日本総研の取り組みとして大学や研究機関等の有望な技術シーズを事業化するための支援を目的としたNEDO Technology Commercialization Programの紹介をしていただきました。

 木野瀬さんには、科学技術の実用化分野のテーマ提供として医療を紹介いただきました。2025年には52.3兆円になる国民医療費。年間1兆円以上増えています。 健康な人を病気にさせないための予防医療、早期介入で身体へのダメージを少なくする先制医療の事例を紹介。また、ご自身の取り組みとして、大腸菌を擬人化した「うんコレ」を紹介していただきました。

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発表者:東博暢さん(日本総研)

タイトル:なぜ今、科学技術の商業化が求められるのか? ~オ-プンイノベーション推進に向けて~

 科学技術(特に情報通信技術)の進展により、急速に変革が進む社会において、世界中で従来型のビジネスモデルやルール·法制度が破たんを来たしております。

大学や研究機関においても同様の変革の波が押し寄せています。

米国の大学·研究機関·企業では、「科学技術を商業化し、市場を創り、その利益から研究資金を獲得し、また新たに市場を創る」、といったエコシステムが形成されています。

必要とあらば、日本の研究機関をリサーチし、特許と共に会社丸ごと買収しにかかります。

今年度、我が国でも科学技術政策を大幅に転換し、手始めに主要大学に合計1000億円のベンチャーキャピタルを設立しました。

今後、日本の研究者も経済成長を意識した取り組みが求められます。

今回はその舞台裏と今後取り組むべき方策についてお話しします。

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発表者:木野瀬友人さん(株式会社エクストーン/株式会社ニワンゴ)

タイトル:科学技術の商業化のための話題提供 ~医療の2025年問題を変えるには~

科学技術の商業化といってもテーマがない!そんなかたに医療のご紹介です。

必要は発明の母。課題山積の医療現場を学び科学技術の必要性を知るお話です。

日本で盲腸手術をすると保険適用で10万円ですが、アメリカでは保険適用で100万円以上かかります。

病気になっても安心して暮らせるのはコスパの高い日本の医療のおかげです。

しかし日本の医療費は年々増え続けていまして、10年後は年間52兆円になる見込みです。

年間52兆円の医療費を現実的にまかなうには、他財政へのしわ寄せ、患者の負担割合増は避けられないと言われています。まさに医療崩壊です。

なぜ医療費は増え続けているのか?

厚生労働省と自治体はどんな取り組みをしているのか?

我々の科学技術は誰が求めているのか?ひとつひとつ解き明かしていきましょう。

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