第8回交流会

2015年4月25日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

第8回の交流会では神武直彦さん(慶應義塾大学)に、システム思考·デザイン思考とこれを用いた各種問題へのアプローチについてのご講演を行っていただきました。

 様々なミッションを達成し、成功に導くための方法を論理的に考える「システム思考」、感性や対話を通して課題の解決策を生み出す「デザイン思考」についてのご講演は、神武さんのこれまでに関わられた豊富な事例の紹介があり、システム思考·デザイン思考といった概念の指すものや使い方をとてもイメージしやすく、非常にわかりやすいご講演でした。

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発表者:神武直彦さん(慶應義塾大学)

タイトル:イノベーションを生み出すシステム×デザイン思考 ~地域課題から地球規模課題まで~ 

 今回の交流会では、世界でも珍しいシステムデザイン·マネジメント教育研究のための大学院を開設した慶應義塾大学の准教授神武先生をお招きし、ミッションを成功に導くための論理的に考える「システム思考」及び感性や対話で生み出す「デザイン思考」について、事例をもとにご講演頂きます。

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第7回交流会

2015年1月24日(土) 16:00 ~ 18:00

場所:吾妻交流センター

第7回の交流会では、前半は東博暢さん(日本総研)に、後半は木野瀬友人さん(株式会社エクストーン/株式会社ニワンゴ)に、それぞれ科学技術の実用化·商業化に関するご講演を行っていただきました。

 東さんには、イノベーションの中心地、シリコンバレーでのトレンドと、実用研究のリーダーシップSRIから学ぶオープンイノベーション戦略をご紹介いただきました。さらに日本総研の取り組みとして大学や研究機関等の有望な技術シーズを事業化するための支援を目的としたNEDO Technology Commercialization Programの紹介をしていただきました。

 木野瀬さんには、科学技術の実用化分野のテーマ提供として医療を紹介いただきました。2025年には52.3兆円になる国民医療費。年間1兆円以上増えています。 健康な人を病気にさせないための予防医療、早期介入で身体へのダメージを少なくする先制医療の事例を紹介。また、ご自身の取り組みとして、大腸菌を擬人化した「うんコレ」を紹介していただきました。

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発表者:東博暢さん(日本総研)

タイトル:なぜ今、科学技術の商業化が求められるのか? ~オ-プンイノベーション推進に向けて~

 科学技術(特に情報通信技術)の進展により、急速に変革が進む社会において、世界中で従来型のビジネスモデルやルール·法制度が破たんを来たしております。

大学や研究機関においても同様の変革の波が押し寄せています。

米国の大学·研究機関·企業では、「科学技術を商業化し、市場を創り、その利益から研究資金を獲得し、また新たに市場を創る」、といったエコシステムが形成されています。

必要とあらば、日本の研究機関をリサーチし、特許と共に会社丸ごと買収しにかかります。

今年度、我が国でも科学技術政策を大幅に転換し、手始めに主要大学に合計1000億円のベンチャーキャピタルを設立しました。

今後、日本の研究者も経済成長を意識した取り組みが求められます。

今回はその舞台裏と今後取り組むべき方策についてお話しします。

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発表者:木野瀬友人さん(株式会社エクストーン/株式会社ニワンゴ)

タイトル:科学技術の商業化のための話題提供 ~医療の2025年問題を変えるには~

科学技術の商業化といってもテーマがない!そんなかたに医療のご紹介です。

必要は発明の母。課題山積の医療現場を学び科学技術の必要性を知るお話です。

日本で盲腸手術をすると保険適用で10万円ですが、アメリカでは保険適用で100万円以上かかります。

病気になっても安心して暮らせるのはコスパの高い日本の医療のおかげです。

しかし日本の医療費は年々増え続けていまして、10年後は年間52兆円になる見込みです。

年間52兆円の医療費を現実的にまかなうには、他財政へのしわ寄せ、患者の負担割合増は避けられないと言われています。まさに医療崩壊です。

なぜ医療費は増え続けているのか?

厚生労働省と自治体はどんな取り組みをしているのか?

我々の科学技術は誰が求めているのか?ひとつひとつ解き明かしていきましょう。

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第6回交流会

2014年11月22日(土) 17:00 ~ 19:00

場所:吾妻交流センター

 第6回の交流会では、原田幸明さん(物材研)に資源問題に関するご講演をしていただきました。

 普段の私たちの生活において、いかに多くの資源が使われているか、世界ではどのような考えに基づいて資源の使用をしているか、これからの持続的な社会のためにはどのような資源リサイクルが必要か等々、資源にまつわる幅広い話題をご提供いただきました。

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発表者:原田幸明さん(物材研)

タイトル:資源問題の新段階とマテリアルサイエンスの役割

21世紀に入って資源問題は新しい様相を呈してきた。

それは今や1990年代の認識では語れない状況の変化をもたらしており、モノづくり日本において厳しい環境となっている。

本講演ではこの状況の変化について述べるとともに、それに対する対策としての代替技術、循環技術などのマテリアルサイエンスの貢献について述べる。

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第5回交流会

2014年9月20日(土) 16:00 ~ 18:30

場所:吾妻交流センター

 第5回の交流会では、小林隆司さん(物材研)に伝わる広報活動について、ご講演いただきました。

 一方的に話を聞くだけではなく、ワークショップ形式で参加者自身が手を動かして事例を体感することで、より内容を実感できるようなご講演でした。

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発表者:小林隆司さん(物材研)

タイトル:恋愛下手?それじゃ科学は伝わらない ~何が人をその気にさせるのか~

恋愛講座ではありません。

科学を伝える。研究成果を伝える話しです。

専門家以外の人に科学を伝えるとき、重要なのは「論理的」であることでしょうか。

本当はそれ以上に大切なのに、ほとんどの科学者が無視していることがあります。反対に、テレビ番組をつい最後まで見てしまう理由はなんでしょうか。

ぜひ、当日まで考えてから出席してください。キーワードは「逆算」です。

考えたこともなかった、伝える技術。テレビが使うあの手とこの手、その一部をお伝えします。

この2時間で、あなたの持つ「コミュニケーション」の意味がガラリと変わるのではないでしょうか。

本にも教科書にもない『伝える技術』。体感していただきましょう。

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第4回交流会

2014年7月5日(土) 17:00 ~ 19:00

場所:吾妻交流センター

第4回の交流会では、前半に安部眞史さん(JAXA)のご講演、後半に参加者有志による組織比較パネルディスカッションを行いました。

安部さんには、「人口衛星の切り開く世界·取り巻く世界」と題してご講演をしていただきました。宇宙開発、人口衛星に関する話題を分かりやすくお話しいただき、これまでの印象よりも宇宙開発がグッと身近に感じられるようになる、そんなご講演でした。

後半の組織比較パネルディスカッションでは、つくばの各研究所に所属する有志による各組織の紹介、交流会参加者を交えてのディスカッションを行いました。前回の自己紹介に引き続き、今回のパネルデイスカッションでも各組織の差異や共通点を見出すことができ、近隣の研究所について知ることのできる貴重な機会となりました。

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発表者:安部眞史さん(JAXA)

タイトル:人工衛星の切り開く世界·取り巻く世界

 「人工衛星」という存在を御存知でしょうか。

そう、天気予報で使われる「ひまわり」です。

小惑星のサンプルを持ち帰った「はやぶさ」が今は有名かもしれません。

このように人工衛星は衛星ごとに様々な役割を持っています。

 今回は一般的な人工衛星の話から入って、私が携わっているGOSAT-2衛星に焦点を当て、基礎研究→プロジェクトの立ち上げ→衛星開発→打ち上げ→運用と、衛星の一通りの流れをご紹介します。

·なんで人工衛星を上げるのか

·どんな事に貢献してるのか

·どんな耐宇宙ではどんな技術が使われているのか

·JAXA流の「開発の進め方」とは

こんな疑問にお答えできると思っております。

 JAXAの衛星は科学的研究、政策への情報提供、天気予報のような実サービス、産業力強化、海外への売り込み(外交ツール)など、様々な狙いが絡み合い、1機の衛星の効果を最大にするよう練られています。

そのため多く(多すぎる)関係者の調整が上手く行かず、枕を濡らす日もあります。

こんな悲哀こもごもな開発のお話や、宇宙機関なのに実はガンダムやヤマトを好きな人は少ないといった無駄話まで、広くご紹介できればと思っております。

また、私(森下君も一緒に)がJAXAの若手有志で進めているAseeds(エーシーズ)という新しいミッションを考える活動についてもご紹介させていただき、世界の度肝を抜くようなミッションを共に発信する同志を募れればと願っております。

それでは、当日はよろしくお願いします。

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第3回交流会

2014年5月17日(土) 15:00 ~ 17:00

場所:吾妻交流センター

第3回の交流会では、前半に中野倫靖さん(産総研)のご講演、後半に参加者有志による三分間自己紹介を行いました。

中野さんには、歌声合成·歌声解析についてのご講演をしていただきました。とても身近な「歌声」が研究対象であることもあり、講演後には様々な内容の質疑が行われていました。講演内容の詳細は、下記のご講演内容をご参照ください。

後半の三分間自己紹介では、10名程度の有志が各自の研究·業務内容についての紹介を行いました。つくばの多様な研究所から参加者が集まっているだけあり、それぞれの研究や業務の内容も多岐に渡っていて、参加者の多様さを実感するいい機会となりました。

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発表者:中野倫靖さん(産総研)

タイトル:歌声合成技術VocaListener(ぼかりす)と歌手の歌声分析技術

 音楽は産業·文化の面で主要なコンテンツの一つであり、歌声は音楽の最も重要な要素の一つです。特に、ポピュラー音楽では歌声を中心に音楽を聴く人達が多く、歌声の音響信号を対象とした「歌声情報処理技術」は、商業音楽の制作における音高補正技術や、カラオケの歌唱採点技術など、身近な場面で利用されています。

 最近では、2007 年のVOCALOID2「初音ミク」発売以降、歌声合成による楽曲制作が盛んに行われており、そのような歌声合成に基づいた音楽CDが市販されて、オリコン上位にランクインすることもあります。しかし、人間らしい歌声を合成しようとすると難易度が高く、適切な知識や時間をかけた調整が必要でした。そのような問題を解決する一つの方法として、人間のお手本の歌声とその歌詞から、歌い方を真似て歌声合成できる技術VocaListener(ボーカリスナー、略称「ぼかりす」)を紹介します。

 また、歌声分析に関する最近の研究事例として、楽曲中のボーカルの歌声を分析し、その性別を自動推定する技術と、声質が似ている歌手を検索して「どう似ているか」も自動的に可視化できる歌声分析技術を紹介します。

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第2回交流会

2014年2月16日(日) 15:00 ~ 17:00

場所:吾妻交流センター

第2回の交流会は、「今後の交流会の進め方」をテーマとして、講演および意見交換会を行いました。

前半の講演では、高木悠友子さん(産総研)に米国での異分野交流の様子をご紹介いただきました。ボストンでの月例講演会や異分野交流会の活動のご紹介、それぞれの会の進め方の特徴や継続して活動するポイントなど、今後のつくばサイエンスネットワークの活動においても参考になる話題をご提供いただきました。

後半の意見交換会では、高木さんのご講演内容を踏まえて、つくばでの異分野交流会としてどのような活動が適しているのか、どのようなスタイルの会だと参加しやすいか、といった点について、サイエンスネットワーク参加者でのディスカッションを行いました。開催頻度や場所から会の内容まで、幅広い内容の検討を行うことで、おぼろげながらサイエンスネットワークの形が見えてきたように思えます。

今後も継続して交流会を開催していきますので、どうぞお気軽にご参加ください!

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発表者:高木悠友子さん(産総研)

タイトル:多様な交流へのいざない ~米国における異分野交流をつくばへ

ハーバードやMITが存するマサチューセッツ州ケンブリッジ市は、研究学園都市つくばの姉妹都市であり、全米でもつくばと強く繋がっている街の一つです。私もケンブリッジで得たご縁から、この「つくばサイエンスネットワーク」に参加する機会をいただきました。

今回の講演ではまず、私の自己紹介も兼ねて、留学時代の経験をお話します。日米の高等教育システムの違いに触れつつ、学部から博士研究員になるまでに携わった生物学のプロジェクトを含め、簡単にお話しします。

次に、ケンブリッジ/ボストンにおいて運営に関ったいつくかの知的交流会について、実例をご紹介します。特にボストンの研究者交流会は、安定した運営で発足から14年目を迎え、近年では毎回100名近い参加者が集まる活発な会です。この会において、私は多くの知己を得ることができ、広大で多様な知的刺激を受けることができました。新しく生み出されつつある知的交流会である本会の発展へ、何らかのヒントとなれれば嬉しく思います。

第1回交流会

2013年12月15日(日) 18:00 ~ 21:00

場所:海鮮ろばた 大漁丸

第1回の交流会は、各研究所の組織の枠を超えた交流を行う準備段階として、お互いの事を知るための懇親会という形での開催となりました。

 産総研、JAXAを始め、つくばの研究所に所属する多くの人間が集まり、知っているようであまり知らない隣の研究所の仕事内容、お互いの興味のある分野やこれまでの経歴、さらにはつくばでの暮らし方に至るまで、様々な話題に花が咲きました。

 次回以降は、有志による講演やパネルディスカッションを開催し、異分野との交流や意見交換をより活発に行えるようにしていく予定です。ぜひ皆様ご参加ください!