第28回交流会

2020年1月25日(土) 15:00 ~ 17:10

場所:吾妻交流センター

 第28回の交流会では、前半は奥野海良人さん(産業技術総合研究所)に、後半は藤平耕一さん(宇宙航空研究開発機構)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の奥野さんのご講演では、必須アミノ酸である”トリプトファン”から体内で作られる代謝産物と疾患の関係性についてご紹介いただきました。疾患との関係性をどのように示したか、現在分かっていること·いないことなどもお話しいただき、現在の研究状況が分かるとても面白いご講演でした。

 後半の藤平さんのご講演では、今まさに変革期を迎えている民間企業中心の宇宙開発について、豊富な事例とともにご紹介いただきました。さらに近年新たにJAXAで始まったJ-SPARC事業のコンセプトや最新事例もご紹介いただき、今後の宇宙業界の展開がさらに変化に富んだものになることを予感させるご講演でした。

———

発表者:奥野海良人さん(産業技術総合研究所)

タイトル: トリプトファン代謝と心身の健康

 トリプトファンは体内で合成することのできない不可欠アミノ酸であるだけではなく、その代謝産物は生体内で興味深い生理活性を有するものが存在する。

 例えば補酵素のナイアシンや神経伝達物質のセロトニン等が有名であるが、その他にも神経の傷害や保護、免疫の抑制や活性化に関わるもの等がある。

 我々はこれらの化合物がいくつかの疾患と関連していると考え、トリプトファン代謝産物と心身の健康の関連に注目して研究を行ってきたので、その一部を紹介する。

———

発表者:藤平耕一さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:宇宙の使い方と具体例+α

 10年前に比べて、宇宙業界は大きく変わりました。民間企業によるロケット打上げが日常になり、宇宙には星と見紛うほどのたくさんの人工衛星が飛んでいます。

 そんな隆盛しつつある「①宇宙ビジネスのトレンドをお話しする」とともに、「②具体的な事例を紹介」します。加えて、そんな国主導から民主導に変化する流れの中で、「③JAXAが取り組むパートナーシップ型研究開発プログラム(J-SPARC)を紹介」します。最後に、私自身が事業化に向けて取り組んでいる活動に対して「④アイディア募集」をさせてください。

———

第27回交流会

2019年10月26日(土) 16:00 ~ 18:30

場所:吾妻交流センター

 第27回の交流会では、前半は新海陽一さん(産業技術総合研究所)に、後半は松本道生さん(物質·材料研究機構)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の新海さんのご講演では、線虫C. elegansのこれまでの様々な研究事例紹介や、親が獲得した形質の遺伝に関わる分かっていること/いないことなどをご紹介いただきました。これまでの遺伝に関する知識がまさに覆ろうとしている最先端の事例が分かる、とても面白いご講演でした。

 後半の松本さんのご講演では、どのようにして原子を自在に配置した構造を作るのか、その構造の多様性をどのように担保するかといったことから、”分子ざる”として実際に水から不純物を取り除く事例まで、理論から実践まで幅広くご紹介いただきました。原子の組み合わせ次第で様々な応用のあり得る、非常に興味深いご講演でした。

———

発表者:新海陽一さん(産業技術総合研究所)

タイトル: 線虫研究からわかってきた新学説~親の努力を子供が受け継ぐ? ~遺伝子のその先にあるエピジェネティクス

 カレーを食べたら猛烈にお腹が痛くなってそれ以来食べられなくなった、というような経験はありますか?もっと身近なところで例を挙げれば、最近になって花粉症になってしまった方はいらっしゃるでしょう。

 こうした生まれた時には備えていない特徴や能力を獲得した場合、それらは子供に受け継がれるでしょうか?おそらく、この質問に対して、中学校の授業では、「No」と教えられただろうと思います。しかし、近年、それを覆す研究成果が、どんどんと報告されてきています。

 今回、その研究成果の中心にある「エピジェネティクス」とは何か?私たちの病気とどのように関わっているのか?今話題の「相分離」とも関係するのか?などについて、私が扱う線虫C. elegansの研究を織り交ぜながら話題提供いたします。

———

発表者:松本道生さん(物質·材料研究機構)

タイトル:原子で創る巨大ネットワークー合成2次元シート化合物で目指す水浄化

 近年の急速な合成有機化学の発展は、比較的小さな有機分子であれば、原子を自在かつ精緻に配置し、分子を思うままに合成することを可能にしました。しかし、ひとたび、目に見えるほど大きな材料に目を向けると、その扱う原子の数が膨大になるため話は一変します。これまで材料中の原子を自在に空間的に配置することは、ほぼ不可能でした。それに対し、原子の位置を精緻に定める2次元·3次元に広がった網状ネットワーク超巨大分子の合成が新たに提案されています。

 本講演では講演者の研究成果を中心に、いかにこのような超巨大分子を合成するかについて概説します。さらに得られる網状巨大分子を「分子ざる」として使うことで、水から汚染分子を取り除く、水浄化の試みについても紹介させていただきます。

———

第26回交流会

2019年5月18日(土) 15:30 ~ 18:30

場所:吾妻交流センター

 第26回の交流会では、前半は羽田良之さん(筑波大学大学院教育研究科)に、後半は宮崎英治さん(宇宙航空研究開発機構)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の羽田さんのご講演では、国際バカロレアとはそもそもどのようなものか、世界と日本の状況の比較といった概要、日本の教育との折り合いのつけ方や経験者からのヒアリング事例などをご紹介いただきました。教育分野から一歩離れた視点からの国際バカロレア教育の評価まで伺えた、とても面白いご講演でした。

 後半の宮崎さんのご講演では、宇宙空間で宇宙機の周囲を包む材料について、どのような特性のものが使われているか、過去に宇宙で発生した不具合の事例、及び研究評価に関する最近の活動についてご紹介いただきました。宇宙空間に曝露された部材がどのように変化するのか、実機の写真を用いてご紹介いただき、非常に興味深いご講演でした。

———

発表者:羽田良之さん(筑波大学大学院教育研究科)

タイトル: 国際バカロレア(IB)教育をネタに日本の教育を考える

 最近、日本各地で国際バカロレア(IB)認定校が増えていることはご存知ですか?

 以前は日本におけるIB認定校の多くはインターナショナルスクールでしたが、近年はフツーの小中高校(学校教育法第一条に基づくいわゆる”一条校”)においてIB教育が導入され始めています。交流会では次のような疑問に答えていきます。

 IB教育とはどういうものか?

 なぜ日本でIB認定校が増えているのか?

 日本の教育とは何が違うのか?

 私は大学卒業後、政府系金融機関での投資銀行業務、海外ビジネススクール留学を経て、現在は社会人向け人材育成に携わりつつ、IB教員資格を持つ高校教師になるべく筑波大学大学院で教育学を学んでいます。

 別の業界から学校教育の現場に飛び込むことになりますが、そのような立場からIB教育を紹介しつつ、そこから話を発展させて日本の教育について皆さんと考えたいと思います。

———

発表者:宮崎英治さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:宇宙用材料研究と、社会科学研究への参画

 人工衛星など宇宙機で使う材料にまつわる研究を行っています。

 宇宙空間の環境と、材料がそのような環境でどのような影響を受けるのか、保護するための対策はどのように行っているのか、といった宇宙用材料研究の概要をご紹介します。

 また、昨年度から社会科学研究のチームに参加し、国立研究開発法人における評価とマネジメントについても考えています。

 私が感じている課題と、その課題解決に向けた取り組みについてご紹介します。

———

第25回交流会

2019年2月23日(土) 17:00 ~ 19:00

場所:吾妻交流センター

 第25回の交流会では、前半は高橋顕さん(産業技術総合研究所)に、後半は春木美鈴さん(宇宙航空研究開発機構)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の高橋さんのご講演では、古くからあるプルシアンブルーに高い吸着能力がある理由、その能力を活かしたアンモニア除去等の最近の研究成果についてご紹介いただきました。特定の物質に合わせた吸着機能をもつ素材を作ることも可能とのことで、今後の様々な活用の可能性を感じるとても面白いご講演でした。

 後半の春木さんのご講演では、日本初の宇宙ステーションからの帰還を果たした小型回収カプセルの開発全体について、その意義から開発の様子まで幅広くご紹介いただきました。多くの動画を用いて実際の回収の様子までご紹介いただき、開発だけでなく運用の臨場感まで分かる、とても楽しいご講演でした。

———

発表者:高橋顕さん(産業技術総合研究所)

タイトル: 青色顔料で空気をキレイに

 青色顔料であるプルシアンブルーは、18世紀初頭に初めて合成された人工顔料です。

 その特徴的な深い青から、葛飾北斎やゴッホなど著名な画家達が絵画に用いて来ました。

 現在でもプルシアンブルーまたは紺青という名前で絵の具として売られています。

 絵の具として長年使われてきたプルシアンブルーが、実は市販の脱臭剤として使われている材料よりも、悪臭の原因物質を吸着除去できる能力が高いことを近年発見いたしました。

 今回はプルシアンブルーの吸着材としての機能について紹介したいと思います。

———

発表者:春木美鈴さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:宇宙からふんわり帰還した小さいカプセルについて ~小型回収カプセルのご紹介~

 2018年11月11日、国際宇宙ステーション(ISS)から、小型回収カプセルが帰還に成功しました。

 日本が国際宇宙ステーションからサンプルを持って帰ってくるのは初めての挑戦であり、確実·効率的な回収のために、揚力を用いた誘導制御等の技術的な工夫をしています。

 地球から宇宙に行くことも大変ですが、宇宙から地球から帰ってくることも多くの課題があります。

 当日は、そんな小型回収カプセルプロジェクトの開発や回収運用についてご紹介します。

———

第24回交流会

2018年11月10日(土) 16:00 ~ 18:30

場所:吾妻交流センター

 第24回の交流会では、前半は安部眞史さん(宇宙航空研究開発機構)に、後半は森田雅宗さん(産業技術総合研究所)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の安部さんのご講演では、JAXAのいぶき2号(GOSAT-2)プロジェクトの立ち上げ当初から打上げまでの全ての経験から、衛星開発プロジェクトの特徴や今後に向けた改善点などをご紹介いただきました。異なる所属の人間が集まると多かれ少なかれ起きるであろう事例や改善方法の提案までお話しいただけて、とても面白いご講演でした。

 後半の森田さんのご講演では、人工的に細胞膜を模擬した”人工細胞”を使った研究に関するお話しをしていただきました。人工的に細胞膜を作り、その挙動を理解することで実際の細胞への理解を深めるという手法について、実際の動画を交えてご紹介いただき、非常に興味深いご講演でした。

———

発表者:安部眞史さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:人工衛星プロジェクトを通して見えた課題

 2014年に人工衛星GOSAT-2プロジェクトにアサインされて早や五年、電気システム及び品質保証の担当として携わってきたGOSAT-2が打上げを迎えました。

 プロジェクトの立上げから打上げまで、開発全期間を通して関わったことで様々な課題や改善点が見えてきました。

当日はそんな経験から下記のようなことをお話しします。

·プロジェクト実行者として必要な能力、

·支援者として実行者を支えるために必要な能力、

·組織としてのあるべき支援体制

·おまけ:研究開発機関の広報戦略~カンヌ広告賞受賞の背景~

———

発表者:森田雅宗さん(産業技術総合研究所)

タイトル:人工細胞内で細胞培養?

 生命とは?その起源は?このような真理·学問の探求において,近年,試験管内で生体分子から細胞(人工細胞)を創る試みが世界中で行われております.

 「人工細胞とは何か?」生命科学に馴染みのない方にもわかりやすく解説させていただきます.

 また,私が取り組んでいる人工細胞の中で実際の細胞を培養する研究·技術についてもわかりやすく紹介させていただきます.

———

第23回交流会

2018年9月8日(土) 16:00 ~ 18:30

場所:吾妻交流センター

 第23回の交流会では、前半は穴原琢摩さん(宇宙航空研究開発機構)に、後半は金賢徹さん(産業技術総合研究所·東京農工大学)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の穴原さんのご講演では、人工衛星から発射したマイクロ波の反射を用いて地球を観測する合成開口レーダーについて、その原理や様々な利用方法をご紹介いただきました。インフラ施設の経年変化の抽出のようなまさに社会問題になりつつある課題へのアプローチについてもご紹介いただけ、とても面白いご講演でした。

 後半の金さんのご講演では、”がん”の定義や現状の医療における課題、それを解決するための研究についてご紹介いただきました。健康診断で採取する程度の量の血液からがん細胞を見つけだす装置の開発についてのお話しなどもあり、非常に興味深いご講演でした。

———

発表者:穴原琢摩さん(宇宙航空研究開発機構)

タイトル:レーダー衛星とは?

 合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar; SAR)を用いて観測を行う衛星についての諸々をお話しします。SARの観測データを使うことで、布で覆われて隠れているところを透視して下が見えたり、観測するビルの高さはメートル精度でしか測れないのにビルの伸縮(高さの差)はミリメートル精度で測れたり、世界中の原油備蓄量を観測して先物取引の予測に使えそうになったりしています。

 こういう衛星が今も世界中を飛び回っているんだなー、ぐらいにご紹介させて頂ければと思います。

 専門は画像解析·統計解析なので、こちらを多めにご紹介する予定です。

———

発表者:金賢徹さん(産業技術総合研究所·東京農工大学)

タイトル:がんとはどんな病気か?これからのがん診断技術とは?

 日本では2人に1人以上が罹患し、未だに死因ナンバーワンである「がん」。がんとはどのような病気か、なぜ治療が難しいのか、今後のがん克服に向けて、どのような課題を解決せねばならないのかについて、普段は生命科学に馴染みの少ない方にも分かっていただけるよう、まずはお話します。

 また、がんの早期発見、高精度診断に向けて、様々な技術の開発が今日も行われています。微細加工技術や機能的微粒子、走査型プローブ顕微鏡も駆使するような、最新のがん診断技術について、簡単な技術原理の解説を含めて紹介します。

———

第22回交流会

2018年6月30日(土) 16:00 ~ 18:30

場所:吾妻交流センター

 第22回の交流会では、前半は名倉勝さん(株式会社経営共創基盤)に、後半は保高徹生さん(産業技術総合研究所)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の名倉さんのご講演では、昨今世界的に注目され様々な活動が実践されているオープンイノベーション、イノベーションを生み続けるためのエコシステムにについてご紹介いただきました。イノベーションに関わる施策の日米比較などもあり、これからの世界や日本の動向を考えるきっかけの多い、とても面白いご講演でした。

 後半の保高さんのご講演では、福島でのこれまでの活動や関連した研究についてご紹介いただきました。現場の研究者の目で見た福島の状況、除染等に関わる話題等、聞き応えのあるお話が満載のご講演でした。

———

発表者:名倉勝さん(株式会社経営共創基盤)

タイトル:イノベーション創出のための政策とエコシステム

 新しい技術やアイデアから革新的な製品やサービスを生み出し社会にインパクトを与える”イノベーション”に多くの企業が関心を持ち、国の政策でもイノベーションを目的としたものが数多く打ち出されています。

 そして、近年はイノベーションを生み出す環境である、”イノベーション·エコシステム”をどのように構築するのか、ということが行政でも話題になっています。

 今回の講演では、私が文部科学省在籍時に携わったイノベーション関係政策や、イノベーション創出が盛んなボストンで中心的な役割を果たしているマサチューセッツ工科大学周辺のイノベーション·エコシステムをご紹介します。

———

発表者:保高徹生さん(産業技術総合研究所)

タイトル:大規模環境災害の研究·実務に関する7年間の個人的経験

 私は、農業土木、環境コンサルタント、環境リスク学、地盤環境工学などの分野を学生、民間企業社員、研究者として、土壌汚染や廃棄物等の一般的にはあまり好まれないものを対象に活動してきた。

 2011年に研究者になった後は、ご縁があり放射性セシウムの計測技術、環境動態評価、廃棄物管理、避難指示区域の住民との対話、モニタリングに関わる国際的な精度評価などの実務·研究をさせて頂いている。

 自分の研究分野とは異なる分野の研究も多いが、避難指示区域の道路でたまたま立ち話をした方の存在であったり、所内の研究者からの誘いであったり、隣の研究所の偉い人からの要請であったり、自治体や国からの依頼であったり、巻き込み、巻き込まれつつ、色んな人に繋がれ、繋ぐことをしてきた7年であった。

 今回は、個人的な経験を振り返えるとともに、福島の美味しいものを(画像で)紹介したいと思う。

———

第21回交流会

2018年4月14日(土) 15:00 ~ 17:30

場所:吾妻交流センター

 第21回の交流会では、前半はくとのさん(ニコニコ学会β交流協会副会長)に、後半は中川幸司さん(北京大学修了、中国研究者、マッドサイエンティスト。)にそれぞれご講演いただきました。

———

発表者:くとのさん(ニコニコ学会β交流協会副会長)

タイトル:「作る人文学」とニコニコ学会βからの試み―多様性からのイノベーションを目指して―

 私の本来の専門は哲学·思想の研究だが、昨今こうした人文学の領域がますます厳しい状況に追い込まれているのはよく知られている通りである。筑波大学でのロボットコンテスト参戦など一風変わった実践をしてきた私としては、人文学の新展開に何ができるかを考え、哲学·思想の概念を作品として実装·表現する「作る人文学」という試みを2011年以来行ってきた。2012年から参画してきたニコニコ学会βでは他分野との共同をよりいっそう深めるとともに、つくばでの尖った研究者の横の連携を深める活動も進めている。

 こうした活動のなかで見えてきたのは、学問領域や人そのものといったさまざまな要素における多様性(ダイバーシティ)をテコにして、(広い意味での)イノベーションをどう起こしていくかというテーマである。つくばという場所の持つ強みはその素地にあるはずだが、現状では十分に活かされていないであろう。本務校での最近の活動も紹介しながら、このような点を考えてみたい。

———

発表者:中川幸司さん(北京大学修了、中国研究者、マッドサイエンティスト。)

タイトル:『極東のビッグブラザー』~チャイナ最新政治経済諸論。巨大なガラパゴスの門が開かれた。

 北京大学で日本人初の経営学博士号を得た異端研究者の中川コージが、ペキノロジーからチャイナビジネス最先端まで、莫大なチャイナネタからつまみ食い形式でご紹介いたします。

 軍事·安全保障だけにとらわれない紅い国に対する観察眼とは? 巨大なガラパゴスで成長した極楽鳥巨大企業はどこへ羽ばたく? 米中の超大国化と、地域大国に舵を切ったロシアの関係は? 『一帯一路プラス』のチャイナ引力は欧州をどこまで引きつけるのか? 日本のマスメディアで報道され難い日中外交ルートの裏事情は? 宇宙&サイバー領域への2030年までの野望とは? 人工知能補完型プロレタリア独裁国家は紅い千年帝国となりうるのか?などなど、興奮できるテーマが満載です。

———

第20回交流会

2018年2月24日(土) 16:00 ~ 18:00

場所:吾妻交流センター

 第20回の交流会では、前半は増田勇野さん(宇宙開発支援企業)に、後半は渡辺知恵美さん(筑波大学、産業技術大学院大学)にそれぞれご講演いただきました。

———

発表者:増田勇野さん(宇宙開発支援企業)

タイトル:エンターテイメントのために疎かにされている宇宙技術

 特に難しいことはお話しません。

 題材として宇宙開発関連の映画をネタに、皆様の専門性もヒアリングし有人宇宙開発の設計/運用思想をお話したいと思います。

 丁度今は金井宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)滞在中ですので、映画や作品のみでなくニュースでも宇宙開発を見かけた際、少しでも日常の中で宇宙開発を面白く捉えられるエナーテイメント観点をお伝え出来ればと思います。

———

発表者:渡辺知恵美さん(筑波大学、産業技術大学院大学)

タイトル:技術者が輝くチーム開発、そして子育てと働き方改革

 私は筑波大学でenPiTというチームによるシステム開発教育プロジェクトに関わっています。

 私自身はこのプロジェクトでアジャイル開発に大きな影響を受けました。

 私が惹かれたのは、技術者を含めた全ての働き手が生き生きと力を発揮できる世界をそこに垣間見たからです。

 フレームワークの根底にある思想として技術者が顧客と経営·運営と一丸となり主体的に良い製品を作り出す考え方が徹底されています。

 また製品の価値を最適化すると同時に、従業者が健康でパフォーマンスを発揮できる環境が守られるように考えられています。

 また、この考え方はソフトウエア開発に限らず全ての働き方にも広げられることを、自らの出産·育児の経験や小学生へのプログラミング教育などに関わることで実感しています。

 また研究や大学での教育活動でもこの考え方を取り入れて少しずつ改善をしています。

 私自身の経験なども踏まえた話や、いくつかの教育に関する活動を通じて私が目指していることなどを率直にお話しし、みなさんと議論できたらと思っています。

———

第19回交流会

2017年11月18日(土) 16:00 ~ 18:00

場所:吾妻交流センター

 第19回の交流会では、前半は原彰彦さん(ソフトバンク株式会社)に、後半は鎌田哲生さん(特許庁)にそれぞれご講演いただきました。

 前半の原さんのご講演では、昨今よく耳にする”働き方改革”について、様々な企業の取り組みを含め、どのようなことが行われているかをご紹介いただきました。自分たちの日々の働き方を見つめ直し、どのような公私のバランスを個々人が目指したいのかを考える貴重な機会をご提供いただきました。

 後半の鎌田さんのご講演では、特許の手続きが所要時間、具体的に特許庁ではどのような観点で作業が行われているか等をご紹介いただきました。国内外の動向や業種による特許に対する要望の違いなど、特許制度を管轄する側ならではの情報を多くご提供いただけた、とても面白いご講演でした。

———

発表者:原彰彦さん(ソフトバンク株式会社)

タイトル:自分自身の働き方”改善”を考えてみよう

 最近話題の「働き方改革」というキーワード、 皆さんはどのように感じていますか?

 フレックス勤務、残業削減、同一労働同一賃金、定時退社、在宅勤務、勤務間インターバル、プレミアムフライディなど様々な施策が取り上げられていて、組織·個人の双方から、働き方を抜本的に見直す機会が訪れています。

 ただし、「改革」と言われると『難しい、ハードルが高い』 というイメージが先行し、何から始めればよいの··と悩んでしまう方も多いのでは?と思います。

 そこで少し言葉を易しくして、働き方”改善”というタイトルで原が取り組んでいることを例として、皆さんにご紹介し、積極的に議論·意見交換してみたいと思います。

 当日は業務内容·趣味などの自己紹介も交えて、

  ①会社が導入している働き方改革の制度

  ②制度を使って私自身が取り組んでいること(イントラネット記事に事例として2度掲載されました)

についてお話します。

———

発表者:鎌田哲生さん(特許庁)

タイトル:特許と特許情報

 特許というと取っつきにくいイメージがありますが、特許そのものを情報として考えると、いろいろと見えてくるものがあります。

 特許にまつわる最近のトピックと、特許情報について、お話ししたいと思います。

———