2016年12月3日(土) 17:00 ~ 19:00
場所:吾妻交流センター
第16回の交流会では、前半は越智岳人さん(fabcross)に、後半は川瀬宏明さん(気象庁気象研究所)にそれぞれご講演いただきました。
前半の越智さんのご講演では、いわゆるメイカーの方々の活動や実際に作っているもののご紹介などを通して、昨今話題のメイカーの世界をご紹介いただきました。今まさに日本中に広がりつつある活動や活動拠点について、現状の課題を含めてご紹介いただき、非常に面白いご講演でした。
後半の川瀬さんのご講演では、地球温暖化の降雪への影響や地方自治体との協力案件などをご紹介いただきました。地球温暖化が進むと降雪が増える地域のお話や地方自治体とのコラボレーションにおけるご苦労など、多くの話題をご提供いただき、とても印象的なご講演でした。
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発表者:越智岳人さん(fabcross)
タイトル:今だからこそ知っておきたいMakerの世界
私は2013年にfabcrossというメディアを立ち上げ、これまで日本各地のメイカースペースと呼ばれる市民工房やンキュベーション施設や、所属する組織を超えて新しいプロダクトを生み出す人たちを取材してきました。
彼らは3Dプリンタやレーザー加工機といったデジタル工作機械や少量生産を受託するスタートアップ向けのサービスを駆使し、地域産業や町工場といった既存の仕組とも接点を持ちながら新しいコミュニティを作り、自分たちの作品や製品をオンライン·オフライン問わずにアウトプットしています。
今回はそういった方たちが何を考え、どう行動し、何を生み出しているかという現状を共有するとともに、作るものを通じて外に繋がる仕組みについてお話します。
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発表者:川瀬宏明さん(気象庁気象研究所)
タイトル:気候変動予測研究のサイエンスと社会貢献
最近、気象研究所でも一般向けの見学の一つとして、研究官による研究紹介の時間ができました。私もこれを担当していて、地球温暖化研究に関する話をしています。一般の人からは「地球温暖化は本当なのか?」「将来、寒冷化するのではないのか?」などと、ときどき質問されます。
地球温暖化に関する研究は世界各国で行われており、それらは「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によって取りまとめられています。ということはたまにニュース等で耳にするかもしれませんが、実際はどうやって研究しているのでしょうか?
地球温暖化の研究は今や多種多様な分野に及んでいます。今回は気候変動予測研究の基本的な話や、私が直接関わっている研究プロジェクトの紹介、先日報道発表を行った「地球温暖化で豪雪の頻度が高まる」の(裏)話などをしたいと思います。また、今、この分野に求められている国や地方自治体の適応計画策定への貢献についても、これまでの経験をもとに、地方自治体と一緒に仕事をする難しさ、やり甲斐などをお話しします。
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